マカワオの不思議な健康ショップ
けっこうな健康オタクである。
新しもの好きでもある。
だから体によさそうな目新しいものには、すぐに飛びついて試している。
そんな私がマウイで必ず立ち寄るのはマカワオにある「ドラゴンズ・デン」だ。
「龍の巣」などという風変わりな名前を持つこの店には、
体や心によい(らしい)ハーブ、サプリ、スーパーフードなどちょっとあやしげなものがところ狭しと並んでいる。
薬局?健康食品店?何の専門店と聞かれると困るが、
とにかく意識の高いセレブヒッピーの多いこのエリアを象徴するような店だ。
パイアにマナ・フード、マカワオにドラゴンズ・デンあり、なのだ。
今回のマカワオ来訪でも、またふらふらとこの店に足が向いてしまった。
マカワオの交差点近くにある有名なコモダ・ドーナツの向かい側の路地を入ると、
すぐに小さな黄色い看板と緑の建物が見える。
店に入ると40代くらいの白人女性が1人で店番をしていた。
前回訪れたときから陳列や内装がほんの少しだけ変わっている。
ここは不思議なことに毎回来るたびにスタッフが変わっていて、
そのスタッフの好みなのか店内も微妙に変わっている。
前回来たときはジューススタンドができていて「おっ」と思ったが、
今回の来訪ではそこは埃をかぶってすっかり物置スペースのようになっていた。
店内は壁一面にハーブの瓶がずらっと並んでいる。
何を選べばいいかわからないというときは、スタッフに聞いてみよう。
体調に合わせてハーブのアドバイスをしてくれる。
サプリメントはさすがアメリカ。日本にはあまりないようなマニアックなものがいろいろ陳列されていて、
見ているだけで飽きない。
数年前、まだ日本でほとんど売られていなかったスピルリナを初めて見たのもここだった。
めずらしいホメオパシーのレメディーも豊富に揃っている。
そんなサプリやハーブ類だけでなく、お香や天然石、ペンタグラムのようなものまであり、
そのバラエティに富んだ品揃えにはなんとなく系統があるようなないような…。
めずらしいところでは火をつけて耳垢を取る道具もあった。
遅れて店内に入ってきたカメラマンのMさんが、店のスタッフと「あら!ハーイ」と驚いたように挨拶し、
ハグを交わしている。どうやら知り合いだったようだ。マウイは狭い。
住民は島のどこに行っても知り合いと会ってしまう。
ここに来る人の多くはセレブヒッピーやヨガピープル、ナチュラリスト、スピリチュアル系などの意識高い系の人々。
ちなみに店の裏には診察室もある。というかそちらの方が本体かもしれない。
当然のことながら西洋医学ではなく、オルタナティブ系の診療所らしい。
エッセイストの横森理香さんの本には、彼女がここで診察を受けたことが書かれているが、
普通の日本人観光客には相当ハードルが高いと思う。
そもそも一体どうやって予約を取ればいいのだろう?
診療室に出入りする人を見かけることもない。本当に不思議な場所だ…。
いつもはここでAloha Ainaのリップバームやボディクリームなどをちょろちょろと買う程度なのだが、
今回はスーパーフードの粉というものに手を出してみた。
店のオリジナル商品で、内容物を見るとゴジベリー、レイシ、マカ、ジンセン、ビーポーレンなど、
身体によさそうなスーパーフードがたくさん入っているようだ。
17ドルもするというのにうっかり「あら、お得。おもしろそう!」と思い購入。完全に旅の勢いだ。
案の定、帰ってきて冷静になると、わけのわからない粉を飲むのが怖くなってしまった。
聞いたことないハーブの名前もいっぱい書かれているではないか。なんだこれ。
今でも封を空けていない。。。
なんだか一生空けないような気がする。。。
でもまあ持っているだけで、あの店の雰囲気を思い出して楽しくなるから、よしとしよう。