「マウイで泊まるならどこがいいか？」と
友人に聞かれると、いつも迷ってしまう。
せっかくならワイレアのゴージャスホテルに
泊まってほしいし、
ネイバーアイランドならではの
広いコンドミニアムも悪くない。
でも「マウイらしさを感じたい」という
ことであれば、B&Bがおすすめだ。
なかでもイチオシは
「ジ・オールド・ワイルク・イン・アット・
ウルポノ」。
歴史ある建物も素敵だし、
インテリアもかわいい。
清潔、親切なサービスは日本人好みだと思う。
場所はワイルクの中心街から車で5分くらい
離れた住宅地。
オールドハワイの雰囲気を残すワイルクは、
ローカルの生活が感じられる素敵な場所だ。
カフルイ空港にも近いし、イアオ渓谷、
パイアなどの観光地にも行きやすいので
便利な立地ではないだろうか。
木造2階建てのクラシカルな建物は、
1924年に建てられたクラフツマンスタイル
という様式。
この地に移り住んだオーナー夫妻が
手に入れて改装したのだそう。
本館に7部屋と共有のリビング＆ダイニング、
離れに3部屋がある。
ラナイ（ベランダ）のロッキングチェアに座り、
鳥のさえずりを聞きながらのんびりと庭を
眺めていると、
時間を忘れてしまいそうになる。
静かで居心地のよい空間だ。
[庭を眺められる心地よいラナイ]
各部屋は大きさやインテリアなどが
少しずつ違い、それぞれ部屋のテーマに
合わせた美しいハワイアンキルトの
ベッドカバーがかけられている。
ネットで確認して気に入った
キルトの部屋を予約するのも
いいかもしれない。
[部屋ごとにキルトのベッドカバーが違う]
各部屋にはもちろんトイレとバスが
ついているし、
アメニティがオーガニックブランドの
アヴェダなのもポイントだ。
もうひとつうれしいのが、
共有のダイニングに置かれている
飲み物サービス。
冷蔵庫の中の水やジュース、
ティーバッグのお茶などが
24時間ご自由にどうぞという状態なのだ。
小さいことかもしれないが、
滞在中とても助かった。
[共有スペースのリビング]
実はこの宿、朝食の人気が高いことでも
知られている。
マウイ産のフレッシュな野菜や
卵を使ったサラダ、オムレツ、
フレンチトーストなどの日替わりの朝食は
至福のおいしさで、
これを目当てに泊まるファンも多いとか。
[身体がよろこぶ新鮮なフルーツや野菜中心の朝食]
私は大味でドテっと量の多いアメリカ料理が
ニガテなのだが、
こちらの朝食はとてもおいしくいただいた。
盛り付けも美しくて味も繊細で
一流ホテル並みだと思う。
それもそのはずオーナーのトムさんは
ホテル業界でのキャリアが長いプロなのだ。
B&Bらしくあたたかいおもてなしの宿だけど、
サービスの要はきちっとしているのは
そのせいなのだろう。
オーナーのトムさんとジャニスさん夫妻は、
マウイの話をいろいろ聞かせてくれたり、
おすすめのレストランや観光スポットを
教えてくれたりと、とても親切。
私が翌朝の出発が早いので朝食が
食べられないと伝えたら、
ジャニスさんが朝早くジュースやフルーツなどを
部屋まで届けてくれたこともあった。
ほかの宿泊者と仲良くなったりする機会も多いし、
ここは特別な旅の思い出ができる楽しい宿だ。
ただし、ちょっとした注意点がいくつか。
基本的に日本語は通じない。
英語が話せない人は笑顔とジェスチャーでのりきろう。
オーナーのご夫婦はやさしいのでたぶんなんとかなる。
またB&Bなのでわりにチェックインや
チェックアウトは自力のことが多い。
時間や状況にもよるかもしれないが、
チェックインのときに誰もいなくて
張り紙の指示だけだったり、
チェックアウトは部屋に鍵を置いて
さらりと出ていくだけだったりする。
もちろん２Fに上がるための
エレベーターなどもないので、
荷物はコンパクトにしておくといいかもしれない。
ちょこっとの不便は
ローカルやほかの旅行者との交流が生まれる
きっかけにもなりそうだ。
ジ・オールド・ワイルク・イン・アット・ウルポノ
2199 Kahookele St, Wailuku
