ハワイの揚げ物事情

先日、トンカツを愛する外国人が日本にやってくるテレビ番組を見た。
彼は日本のトンカツを食べてやけに興奮気味。
意外だがどうやら豚肉の揚げ物は海外ではわりとめずらしいようだ。

ハワイでもロコピープルにとって「カツKATSU」
といえば豚ではなく「チキンカツ」だったりする。
ちゃんとした日本食屋は別だがローカルのプレートランチ店なんかで、
カツ丼に似たようなメニューを頼むとたいていチキンの揚げ物がのっかってくる。

だから日本に遊びに来たハワイの人に何が食べたい?と聞くと
「トンカツ!」なんてうれしそうに言ったりする。
揚げ物が大好きなハワイ人好みだし、プレートランチにはないしね。

オアフに登場した「金子半之助」の天丼。ワイキキ・ショッピング・プラザ内に入っている

ハワイで代表的な揚げ物といえば、マラサダだろうか。ポルトガル移民が
ハワイに持ち込んだといわれるドーナツの一種。
カパフルにあるレナーズという店が有名だが、
確かにふわふわ感はレナーズが一番だと思う。とにかく軽い。
たまに日本でマラサダを名乗ったものが町のパン屋で売られていることがあるが、
たいてい間違っていて、単なるドーナツだったりする。
マラサダのあのふわふわ食感はただの丸いドーナツじゃないのだ。最近のレナーズはちょっと
油がしつこく感じるが(年のせいか)、一度食べてみる価値はあると思う。

ほかにローカルがよく食べる揚げ物といえば、モチコチキンがある。
基本的に鳥の唐揚げなのだが、衣に餅の粉、モチコをつけてあげているところが違う。
でも衣がモチコだからといって
特に味は唐揚げと変わらないという微妙な食べ物だ。
衣がさほどモチモチしているわけでもないし・・。
おそらく日系移民の持ち込んだモチコが、
日常生活でなんとなく唐揚げ料理に使われるようになって広まったのだろう。
どこのものを食べてもさほど大きくハズさないので、
プレートランチで見かけたら食べてみるといいと思う。

B級の唐揚げといえば、ハワイのファミリーレストランチェーン「ジッピーズ」のフライドチキンも
ローカルに好きな人が多い(最近のおしゃれな若者は違うかもしれないが・・)。
ここのはなんというか日本のコンビニやケンタッキーで出てくるような、
普通においしいフライドチキンなのだ。
ジッピーズはチリ(ひき肉や豆などを煮込んだもの。いわゆるチリコンカン)も人気で、
このチリとフライドチキンは罪悪感たっぷりなデブ製造の組み合わせだけど、
きっと男性ならだれもが好きなはず。
確かハワイ出身力士の誰かも、故郷の味だと公言していたような気がする。
ジッピーズはサイミンなどのハワイアンフードもメニューにあって、
結構ローカル色豊かなのでぜひ行ってみてほしい。
我々のような世代にはもうちょっときついけど。

これはダウンタウンの中国料理店レジェンドのごまだんご。やたらと巨大